フレンチブルドッグの足腰の弱り

みなさんこんにちは、夏っぽくなってきましたね。
なんだかジメジメ湿気が多い年だと思うのは自分だけでしょうか?
そういえばこの病院で本格的な夏を過ごすのは初めてです。

さて今日はK市M先生からのご紹介、フレンチブルドッグのみるくちゃん。
笑ってる…(笑)
見ての通り(失礼かな?)超がつくほどの陽気なよい子です。陽気な子と言うくらいだから体は熱いです。
みるくちゃんは後肢がふらつき椎間板ヘルニアの疑いとのことでした。
M先生から処方していただいているごく少量のステロイドとサプリメント等を使用しながら、こちらで鍼治療と漢方薬を加えることにしました。

東洋医学(中獣医学)では、仮に診断がはっきりしなくても症状と体質、経緯から「証」を特定して治療が行うことができて、何となく変?の症状にアプローチできるのが最大のメリットです。
また、かかりつけの先生からメインの治療をしていただきながら、それにご協力する形で治療できる点がすごく良いと思っています。

この子はもともと陽気で暑がるので、そういった子は「陰虚」という体質になりやすいんですね。
後から分かったのですが、漢方薬(厳密には中薬と言います)を始める前は元気が少しなかったようです。
この文章を書いている今の方がとっても元気がよくて、前は少し元気がなかったんですねー、と飼い主さんとお話ししました。
ということは「気虚」もあったんだと思います。
「陰虚」というのは体に熱がたまって乾いており、それが長引いた状態「虚証」のことを言います。「気虚」は前回のうめちゃんのところでも出てきましたが、簡単に言うとエネルギーの低下です。
中獣医学では、背中や後肢に主に症状がある場合、それを支配する臓腑は「腎」。西洋医学の腎臓とは違うのですね。
まとめると、この子の「証」は「腎陰虚」、後肢のふらつきがあるので「痺証」、筋肉が細くなっているので「脾気虚」と考えました。おそらく背部の「気血滞」もあろうかと思います。これもうめちゃんのところ出てきました。

それでは鍼治療開始です!

いつも笑ってます…しかも鍼中にもかかわらずカメラ目線(笑) かわいい~♪

治療は「腎の気と陰」「脾気」を補して、体の「気血の滞り」を解消する経穴で鍼治療、腎の気と陰を補す漢方薬(中薬)を使っていただきました。

ずっと見つめられてます。おやつくださいって言われてるみたい…いや言ってます!?(笑)
鍼してる時はお母さんの方見ててね~。15分間ガンバ。

足もこんな風に鍼を使います。

全身にバランスよく行うのが基本です。やりすぎもよくありません。
だいたい2週間おきに鍼治療を行って、こないだで数回目。
駐車場で歩いていただくのですが、だいぶ立ち方歩き方がよくなってきたように思います。
なにより、顔つきが若返って、ますますかわい~くなったのは間違いありません。
(先日の笑顔全開の写真を撮り忘れたので今度載せます…汗)
みるくちゃん、ますます若返って、しっかり立って、もっともっとかわいくなりましょうね!