診療方針
1)西洋医学と東洋医学の統合
当院では、東洋医学と西洋医学のメリットそれぞれを採り入れた治療を行っています。病原を特定し、それを取り除くことで治療してきた西洋医学に加え、動物の育ち方や体質・体全体から原因を捉え、そのアンバランスを(主に漢方薬・鍼治療で)元に戻し治療する東洋医学。双方の特性を生かし、適した治療を行う動物病院です。
※外科手術が必要な場合は他院様をご紹介させていただきます。
2)なぜこのような方針を採るのか
現在の獣医療は西洋医学が中心です。病原そのものを見つけたり特定することに重点が置かれ、その病原を取り除くことで治療が行われます。この方法はとても有効であり、治癒により動物とご家族の生活の質が向上します。
しかし一方で西洋医学では、病気や病原そのものにスポットが当たりすぎるあまり、生き物である動物の「体質」「性格」などがないがしろにされる傾向もあります。東洋医学では、治療は病原の排除ではなく、「なぜその病気になったのか」という原因を、体全体や取り巻く環境から探ります。動物も人間と同じ一人の生き物として、体全体を捉え、生まれや育ち方、性格や体質にも重点を置いた詳しいカウンセリング・診断を行い、原因となった「体のアンバランス」を元に戻すことで治療します。西洋・東洋のそれぞれの観点から動物を診断し、従来の西洋医学のみでは治療できなかった体の不調を改善することが目的です。
お互いの良い部分を生かした治療を行うことが当院の診療方針です。
東洋
医学
医学
メリット
- 原因がはっきりしない場合に有効
- 慢性疾患に強い
- はっきりしていても治療法がない場合にも有効
- 体全体のアンバランスを改善するので
一つの病状でなく体全体を治癒する - 副作用はないわけではないが弱め
- 検査で異常がなくてもなんとなく続く不調に良い
デメリット
- 治癒まで時間がかかることがある
- 急性の症状への対応がしづらいことがある
- データ(エビデンス)が少ない
- 骨折などの明らかに治せない症状がある
西洋
医学
医学
メリット
- 原因が分かっている場合に特に有効
- 急性の症状にいち早く対応できる
- 病原を物理的に排除できる
- 検査で正確な数値や画像をもとに
診断するため客観性が高い - データ(エビデンス)が豊富
デメリット
- 一つの病原を排除しても、
別の問題が出ることがある - ある種の慢性疾患に弱い
- 原因が分からない場合に弱い
- 副作用の強い薬がある
- 侵襲性が高い場合がある
3)どうやって治療法を選ぶのでしょうか
詳しい診察とカウンセリングを行った後に、西洋医学による治療が良いのか、東洋医学による治療が良いのか、もしくは両方を組み合わせた方が良いのかを判断し、飼主様にご説明します。その上で飼主様に納得いただける治療法を一緒に考え、治療へ進みます。
病気の種類や動物の種類によって他院様の方が良い治療を受けられると判断した場合はその病院様をご紹介します。
また、当院では東洋治療の技術を極める目的もあり、外科手術を行っておりません。このような理由で他院様を紹介させていただく場合もございます。いずれにしても動物と飼主様が最適な獣医療を受けられるように最善の努力を尽くします。
院長紹介
院長 獣医師新保 雄一郎
私が東洋医学を手がけ、初めて鍼治療を行った自分の犬の名前が「ウッディ」でした。たくさん鍼をさせてもらい、私を見届けるように19歳間近で天国へ旅立ちました。
伝統的な東洋医学では、体のバランスを整え、体の内側から自己治癒力を引き出すことができます。人では見直されつつある東洋医学ですが、獣医療ではまだ浸透しておらず、東洋の視点で治療を望む家族の方が多いことも実感して、当院を立ち上げました。原因不明で体調の悪かった動物たちが少しでも快方に向かうよう、西洋・東洋それぞれのメリットを生かしたより良い獣医療を目指して精進していきたいと考えています。
経歴
-
1993年
新潟県立小千谷高校 卒業
-
1999年
北海道 酪農学園大学 酪農学部
獣医学科卒業 日本獣医師免許取得 -
1999年
新潟県長岡市、柏崎市
シートン動物病院勤務 -
2015年
アメリカ フロリダ州 Chi instituteにおいて認定獣医鍼灸師の資格を取得
-
2017年
同 認定獣医漢方薬剤師の資格を取得
-
2017年
新潟県小千谷市 ウッディ動物病院 開業