椎間板ヘルニアなどによる背中の痛みと腰痛に鍼と漢方

こんにちは、今日は鍼漢方をご紹介します。
H町うめちゃん、穏やかな可愛らしいミニチュアダックス。
あれ? ちょっと緊張してますか?
数回目の来院ですが、これでもだいぶ緊張が取れてきたんですよ。

うめちゃん、この冬とても背中か腰が痛く、背中を丸めてとてもつらそうでした。背中を丸めるしぐさや、中程度の不全麻痺が見られたため椎間板ヘルニアや椎間板脊椎炎などの可能性ありと仮診断しました。
痛みの症状が強く、本人も緊張していたためまずは少量のステロイドの治療を数日間行ったところ、少し楽になったようでした。さらにここから鍼治療と漢方薬の治療を始めました。症状に加えて舌の色と脈を診て体質を確認し中獣医学の診断である「証」を確定します。うめちゃんの舌は淡く、厚く、泡がありました。脈は沈んで弱々しく、右が弱かったです。そして、詳しいカウンセリングの結果元気はあまりなく元来とても寒がりとのことでした。証は「背部の気血滞」「腎気虚または腎陽虚」」と考えました。
「気血滞」とは気や血が滞り、痛みや腫れ、炎症などが起きた状態のことで、「腎」は中獣医学の中では骨や神経系、内分泌系などを支配します。「気虚」は簡単に言うとエネルギーの低下、「陽虚」は気虚の症状+「寒」の症状を言います。

鍼治療開始です。この表情、かわいいですね。おしりはみ出してますよ(笑)
うめちゃんは背中に気血の滞りがあるのでそれを解消する経穴(ツボ)、「腎」を補う経穴、体を温めてリラックスさせる経穴十数か所に、細い鍼を置き鍼する「白鍼」という方法を取りました。写真では見えませんが、後ろ足にも数本鍼をうっています。

お!ナイスショットです。こういう写真はなかなか撮れません。最初は緊張しているのですが、鍼がきいてきたのでしょうか、目のシパシパが始まりました。鍼との相性がいい子はリラックスして気持ちよくなってくるとこういう表情をしてくれます。

症状がとても改善してきたのでステロイドは減量して早々に終了して、今は漢方薬と2-3週間に1回の鍼治療だけです。今はとても元気ですが、少々食欲元気が出すぎてるかも???とのこと。
東洋医学では、足りないのはもちろん問題ですが、出すぎてるのも問題と考えます。「ちょうどいい」がベストなので、これがうめちゃんの本来の姿なのか、出すぎの症状である「実」の状態であるのか、これから判断しなくてはなりません。もし「実」なら鍼治療や漢方薬は「瀉」の方法や薬を選ばなくてはなりません。
うめちゃん、診察とカウンセリングを繰り返し繰り返し行って「ちょうどいい」の状態を目指していきましょうね!