腎虚と脾気虚と肝血(陰)虚 そして虹

みなさんこんにちは。
虹ですよ、虹! 外見たら大きな虹が。

虹だけでもラッキーだなーって思いますが、つなぎ目のない大きな虹はお得な気分です。
自分だけでしょうかね?

ここ数日寒いですし、変な雨も降ってますね。昨晩もう「あられ」も降ったみたいです。
思い出すのは去年のあの雪。
あそこまでの雪はいらないかな…。

さて!今日はK市のM先生ご紹介のクッキーちゃん、なんと16歳8か月!


顔がかわいいので若く見えますね。
足を引きずる、とのことでM先生の紹介でいらっしゃいました。
確かに歩き方はゆっくりで後肢がヨタンヨタンしてますね。そして筋肉も少ないです。
でも食欲はよく、目つきもよかったです。
中獣医学(東洋医学の一つ)では診察室に入る前から診察が始まります。
待っているときの姿勢、声やにおいとか周りの動物への反応、そして、目つきなどを見ます。
何を見ているかというとその子の「気」を見ます。
クッキーちゃんは足取りは悪かったですが、目つきがよくおやつもよく食べてくれました。
こういう子は鍼や漢方の治療の反応がいいとされています。
専門用語で「神(しん)」といいます。精神の神ですね。ちなみに「精」という用語もあります。

クッキーちゃんは診察とカウンセリングの結果「腎虚」「脾気虚」「肝血(陰)虚」と考えました。
今までになくどうしてこんなに診断の数が多いかというと、まず高齢の子はほとんど「腎虚」です。
そして、筋肉の減少は「脾気虚」。靭帯の弱りは「肝血虚か肝陰虚」なのです。
最初四肢がとっても冷たくて、冷えの症状が強かったです。なので最初は「肝血虚」だったと思います。
まずこの3つに焦点を絞り治療を開始しました。

K市の子はカメラ目線が得意^^???
いいかっこで立ってますね。見えにくいですがほかの子より少なめの本数で鍼をしています。
なぜかというと16歳のため、たくさん鍼をすると負けてしまうかもしれなかったからです。
鍼は基本的には安全です。ですが、高齢の子にいきなりたくさんの鍼は刺激になろうかと思います。
ですので、最初はほんの10本程度使用しました。
腎虚、脾気虚、肝血虚の基本中の基本の経穴を使用して、漢方薬は体をやさしく温めて背中をしっかりさせるものを使用してみました。
漢方薬もごくごく少なめ、これも同じ理由。体をびっくりさせないためです。
1週間後にお話を伺って治療の方針が間違っていなければ、徐々に鍼の本数を増やしたり、漢方薬を増量したりします。

そして体があったまってくると今度は「肝陰虚」のサインが出てきました。
「陰虚」というのは体の中のクーラーの調子が悪い状態、つまり「ほてり」が出てきます。
犬だとパンティングといって「はあはあ」と呼吸をする状態で体が熱くなっている状態です。
そこで漢方薬を背中をしっかりさせる目的は変えずに体の「気」と「陰」を補う漢方に変更しました。
日によって疲れていたり、足取りが悪かったりしましたが、おおむね治療への反応は良好です。
そして治療を重ねるうちにクッキーちゃんは診察室に自分から寄ってきてくれるようになりました。
鍼治療が好き、と思ってほしいですが、おそらくオヤツが…ほしい…多分。
いやいいんです、病院が嫌いでさえなければ(笑)
鍼治療中のきょろきょろ(オヤツを探してる)仕草もかわいいですよ。

こっち向いたり?

あっち向いたり…(オヤツどこ)(笑)

クッキーちゃんはいいお年の取り方をしています。
いいお年の取り方というのはできそうでなかなかできないものです。
中獣医学はよいお年の取り方に協力できます。

クッキーちゃん、ますます元気になりましょうね!